バナジウムって何？
バナジウムは、原子番号23の元素で、元素記号Vで表されます。 周期表では５族に分類され、金属の一種です。今から1830年に北欧のスカンジナビア半島で、 スエーデンの科学者セブストレームによって再発見され（バナジウムは1801年に発見されていたが、発表が撤回されていた）、 その土地の神話に登場する「愛と美の女神バナジス」にちなんで「バナジウム」と名づけられました。
バナジウムは、各種の金属の添加剤として使われることが多く、強度、耐熱性が優れた合金として用いられる。 その他にも、超伝導磁石の製造やミサイル、ジェットエンジン、原子炉などにもバナジウムの合金は用いられます。 バナジウムを用いた化合物である五酸化バナジウムは、酸化触媒として用いられ、その用途は多様であります。
バナジウムは地表に広く分布し、至る所に微量に存在します。バナジウムが多く含まれているものとして、 玄武岩が知られています。玄武岩は地表に噴出したマグマが固まってできる火山岩です。 またバナジウムは、生物では、ある種の「ホヤ」の血液中に高濃度で存在します。 人間の血液に含まれるヘモグロビンの中心には、金属として鉄が含まれているのは有名ですが、 ホヤは鉄の代わりにバナジウムを使っているといわれています。
最近バナジウムを活性中心に持つ様々な酵素が発見されており、 バナジウムが生体内で重要な働きを持っている可能性が高くなっています。 ヒトの体にも0.1〜1mg程度存在すると推定され、主に腎臓、肝臓、肺、脊髄、骨、こう丸、などに集積されているといわれています。
バナジウムを多く含む食品として、パセリ、黒コショウ、マッシュルーム、貝、海草、カニ・海老などがあります。 特にアサリはバナジウム含有量が高く100g中80〜90μg含まれています。 ヒトではバナジウム欠乏による悪影響は報告されていませんが、モデル動物を用いた実験では、 バナジウム欠乏により成長不良、生殖機能低下、脱毛などがおきたという報告例もあります。
ではそのバナジウムが含まれているバナジウム水の研究報告を紹介します。